天燈鬼

天燈鬼(てんとうき、天灯鬼)、普通切手、1974年〜76年発行。


この天燈鬼は木彫の像で、現在奈良の興福寺の国宝館で見ることができます。
龍燈鬼という像と対になっていて、二体で一つの国宝として指定されています。
 
龍燈鬼は鎌倉時代の康弁(運慶の3男)が作ったと言われていますが、この天燈鬼については、康弁ではなく運慶一門の仏師の作ではないかと言われています。
 
天燈鬼と龍燈鬼それぞれの対比について。
<天燈鬼>
・色は朱色(現在は剥落)
・燈籠(とうろう)は肩の上
・腰をひねって上半身を傾けている"動"
<龍燈鬼>
・色は緑色(現在は剥落)
・燈籠は頭の上
・両足を踏ん張って立つ"静"
 
天燈鬼は口を開いた阿形、龍燈鬼は閉じた吽形で「阿吽(あうん)」の一対ともなっています。
※阿吽とは
サンスクリット語の阿(口を大きく開く)の音から始まり、吽(口を完全に閉じる)の音で終わる文字の配列から、「阿吽」とは宇宙の始まりから終わりまでを表す、という解釈もある。宗教的な像によく取り入れられている。
 
通常は四天王(仏法僧を守護している四神のこと)に踏みつけられていることの多い邪鬼を独立させ、仏前に供える灯をともす燈籠を鬼に持たせるという、珍しい作品です。
 
パッと見は怖い感じがするけれど、よく見てみると、役割を与えられて張り切っている鬼が、何だかかわいく見えてくるような気もします。