【宝塚】2013年・月組「ME AND MY GIRL」感想 フィナーレがカッコよかった

「ME AND MY GIRL(以下ミーマイ)」2013年・月組をDVDで観ました。

 
この作品は今までに何度も宝塚で上演されています。
 
⭐︎1987年〜88年  
  剣幸こだま愛 他
⭐︎1996年  月組 中日劇場
  久世星佳風花舞 他
⭐︎2008年  月組 博多座
⭐︎2009年  花組 梅田芸術劇場
  真飛聖桜乃彩音 他
⭐︎2013年  月組 梅田芸術劇場
  龍真咲、愛希れいか 他
  明日海りお、花乃まりあ 他
 
何で私が2013年の月組のミーマイを見たかというと、宝塚に興味を持ち始めた頃、近所のブック◯フに売っていて(笑)有名な作品だし、見てみようかな…と。
 
この作品は元々が海外のミュージカルであり、改変があまり認められてないのか、どの年度の公演も話の内容は同じです。
そのため、同じ人がずっと同じ役をせず、日替わりで別の役をする役替わりをしたりと、観客を飽きさせない工夫がされています。
 
 
作品を観ての感想
 
この作品が何回も上演される理由は、とにかく歌がいい!ということに尽きると思っています。
しかも基本的に明るくて楽しい歌ばかりの名曲揃いです。
その明るくて楽しい曲に合わせて、宝塚の生徒さん達の素敵なダンスを見せられたら、絶対に、いいもの見たなー!という感想になるなと思いました。
 
私は実際の舞台でこのミーマイを見たことはないのですが、ものすごく楽しい夢のような世界に浸れる気がします。いいミュージカルを観れて楽しかった!となると思います。
 
 
ただ、私は家でDVDを見ただけなので…
やっぱり生で観劇する時の作品の楽しみ方と、家でじっくりと何回も作品を見るというのは、作品の鑑賞の仕方が違ってくるかな、と思います。
 
劇場で生で観る時は、宝塚の生徒さん達すごかった!曲も良くて楽しかった!で終わりだと思うんですけど、家で繰り返し見る時は、この話はそもそもどういう話なんだろう?とか考えてしまうんですよね。
 
そう考えた時に、このミーマイという話については、私はあまり理解できなかったような気がしています。
 
そもそもイギリスの階級制度というものが根底にあるので、そこを日本の感覚と合わせることが難しい、というのがあります。
宝塚で初演する際に文化の違いなどの表現を工夫されたみたいなんですが、頭では分かるような気がしても、実感として感じるのは難しい気がしました。
 
 
主人公のビルは下町の庶民として育ってきたのに、実は貴族の末裔だったと知らされます。
恋人のサリーも庶民なので、貴族のビルと一緒になるのを諦めかけますが、やっぱり諦められなくて、自分を磨き、最後には素敵な女性になって、みんなに認められてハッピーエンド、という話です。
 
サリーが自分をもっと磨いて素敵になりたい、という気持ちは、階級制度とかに関係なく、分かるような気がしました。
 
ただ、主人公のビルという人物についてはイマイチよく分からなかったです。
ビルは自分が実は貴族だったこととか、教育を受けて立派な紳士になりつつあることよりも、
サリーが好き、一緒にいたい、という愛を一番大事にしているんですよね。
 
でも私は、その人自身の夢とか希望とか、野心とか欲望とか、そういうのがある人の方が魅力的に映るので、ビルはちょっともの足りなくて。
あとはビルの庶民っぽさを出すためなのか、下ネタとかちょっと下品に見える場面もあって、それも苦手なのかもしれないです。
 
ただ、このお話は若い男の子と女の子の恋物語なのだから、そんなに深く考えずに楽しんだ方がいいのかもしれないとも思います。
 
ストーリーという面だけ見ればあんまりピンとはこなかったですが、とにかく曲も舞台の雰囲気もとても楽しいので、それを楽しむ作品なんだろうなと思います。
 
あと、ミーマイのお話が終わった後、最後に宝塚らしいちょっとしたショーの部分があるんですけど、それが本当に素敵でした。
宝塚版ミーマイにしかないショーの部分なので、ミーマイそのものにはほとんど関係なくなってしまうんですけど…
 
特に男役さんの踊る群舞が、曲も踊りも本当にカッコよくて。(多分2008年から変わったバージョンではないかと思います)
何回も繰り返し見てしまう、大好きな場面です。
 
 
最後になりましたが、2013年版の感想を…
 
主人公の龍真咲さん演じるビル、元気な下町の男の子の感じがすごく良く出ていたと思いました。
龍さんは2008年博多座公演で、ジェラルドとジャッキー役で出演されています。その時からの再演ということを考えると、龍さんとこのミーマイの世界観が合っていたのだな、と思います。
 
愛希れいかさんのサリーも良かったです。愛希さんも元気な女の子の役がすごくお似合いでした。
龍さんと愛希さんの、ビルとサリー、元気な可愛い男の子と女の子の若々しい恋の雰囲気がしっかりと出ていて良かったです。