【宝塚】2017年・雪組「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」感想 ショーが素晴らしかった

ショーが素晴らしかった

2017年、雪組「ひかりふる路〜革命家マクシリミリアン・ロベスピエール」「SUPER VOYAGER!-希望の海へ-」Blu-rayで観ました。
※お名前の敬称は制作スタッフ・生徒問わず統一しています。
 
 
「ひかりふる路」の率直な感想
 
この作品は望海風斗さんと真彩希帆さんのトップコンビ大劇場お披露目公演でした。
普通、トップスターのお披露目作品は、格好いい人物を演じることが多いような気がします。
だからなぜ、ロベスピエール?って感じがしました。
 
ロベスピエールは独裁者というのが代名詞のようになっていて、一般的にもあまりよく思われていない人物のような気がします。
 
ハッキリ言ってしまえば、粛清だとか言って、人をどんどん殺してしまってることが大問題なんだと思います。
いくら何かの目的や理想があったとしても結局のところ人殺しじゃん、みたいになってしまって、主人公に同情できなくなってしまいます。
 
でもこれって私が女だから特にそう思うのであって、男性から見ればそこまで気にならないポイントなのかもしれません。私は男ではないのでその感覚はよく分かりませんが…
それでも平和とか命の大切さとかそういうのを大事にしたいと思えば、やっぱり、人をどんどん殺していく人はカッコいいと思えません…
 
そういう人物が主人公の作品がたまにはあってもいいかもしれないけど、お披露目公演に持ってくるのはちょっとなぁ、と思ってしまいました…
 
 
それにしても、望海風斗(愛称:だいもん)さんと真彩希帆(きほ)さんの"だいきほ"コンビの歌は素晴らしかったです。
 
また、この作品は、ブロードウェイミュージカルの作曲家、フランク・ワイルドホーンさんが作曲されています。
フランク・ワイルドホーンさんと言えば元宙組トップスター和央ようかさんと結婚されており、宝塚ファンの中でもよく知られている人ですが、今回もワイルドホーンさんらしい、壮大で感動的な曲が散りばめられています。
 
素晴らしい曲に素晴らしい歌声が聴けるという点で、この「ひかりふる路」という作品が成り立っているように思いました。
 
ロベスピエールの人生については、こういう人が二度と現れないために、どうしたらいいのだろうと考えるきっかけ、反面教師みたいなものとして見る。そして歌の素晴らしさに浸ったり、あとはお衣装も素敵なので、そこを楽しむ作品なような気がしました。
 
 
個人的には、彩凪翔さん演じるマノン・ロラン夫人(通称ジロンド派の女王)に興味を引かれました。
彩凪さんは男役さんですが、この作品では女役さんだったんですよね。彩凪さんは本当にお綺麗な方なので、本当の娘役さんのようにドレスも似合っていて。
悪役寄りの人物なので、憧れの素敵な女性って感じではありませんが、こういうブレない強い女の人っていいなと思いました。
 
最後、処刑される前、兵士を振り払い毅然と歩くシーンなんかはカッコいい女って感じでした。友達にはなりたくないですが(笑)こういう強さを見習いたい気がしました。
 
 
 
「SUPER VOYAGER」感想
 
このショーは素晴らしかったです。もちろん私好みの、という注釈は付きますが、かなりの人がこのショーは観て良かったと思ってる気がします。
 
演出家の野口幸作さんが手掛けられてるんですが、宝塚らしい華やかさのポイントだとか、どういう風に見せたら宝塚ファンが満足するのかというツボが、きっちり押さえられていたショーだったと思います。
 
その上で望海風斗さんの素晴らしい歌声、それにのせられる真彩希帆さんの声のハーモニー、満足度が半端なかったです。
 
ただ、だいきほの歌声が素晴らしすぎて、他の生徒さんが歌われる場面で、もうちょっと頑張って…!みたいになってしまう感じはしました…
とにかくトップコンビお二人の素晴らしい歌を聴いてしまうと、それとどうしても比較してしまうというのはあると思います…
 
 
あと他に印象的だった場面は、彩風咲奈さんメインの"海の見える街"です。この場面は、曲の選曲(魔女の宅急便・久石譲作曲)のハマり具合、その曲のアレンジの素敵さ、彩風さんによく合うお衣装やダンスの振り付け。そして娘役の朝月希和さんとの相性の良さ。そういう様々な要素が絡み合って名場面となっていたと思います。
 
この「SUPER VOYAGER!」は2018年の全国ツアー公演でも再演されていますが、こちらは劇場も小規模だったり、出演者の人数も少ないので、この大劇場版の方が豪華さや素敵さがより伝わってくるのではないかと思います。
 
的確にポイントが押さえられた華やかな演出、だいきほの素晴らしい歌声に加え、この時の雪組生の充実度、見て大満足なショーでした!